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好きな歌やドラマについて和訳したり解説します

The Long Haul - NO / Black English(和訳)

かなり遅ればせながら、最近、シャーロック・ホームズの現代版ドラマ『ELEMENTARY』を観ています。1話ごとの事件と推理がとても凝っているのと、設定が良い感じなのでおすすめです。そのうち、原作と比較できるシーンについて、備忘録の記事を書けたらいいなあと思っているくらいです。

そのシーズン1の9話目のエンディングで流れる曲が良かったので、和訳してみました。海外でも、ドラマでこの曲を知ったという方が多いようです。(2014年にバンド名が NO から Black English に変わりました。)

 

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We'll be fine I'm sure
Just use the other door
I wanna have a house like they did

ぼくたちは大丈夫さ 本当だよ
別のドアを使えばいいんだ
前に住んでたような家が欲しいね


We wrestled till we cried
They fucked our state of mind
Don't celebrate me 'cause I'm jaded

泣くまで取っ組み合ってケンカしたね
両親はぼくたちの心をめちゃくちゃにして
お祝いなんていらないよ 疲れてるんだ


Welcome to the storm
We're babies till we're born
Then adults from our first day breathing

人生という嵐へようこそ
ぼくたちは生まれるまでが赤ん坊で
呼吸をはじめたその日から大人にならなきゃいけなかった


Our innocence was staged
The jury all got paid
I'd lock it but it's not worth stealing

ぼくたちの純真さなんて演技だったね
誰だってそれを知ってて知らない振りをしてた
ずっと隠しておいたけど ぼくの心は盗むほどの価値すらないよ


When the drunks start singing this way 
Baby's got her best dress stained
I hope you got a minute
Hope you want me in it
For the long haul 
All night long

酔っ払いたちがこんなふうに歌いはじめると
女の子はいちばん良い服を汚してしまう
君が待っていてくれたらいいんだけど
ぼくのことを待っていてくれたら
そこにぼくが戻るまで
夜のあいだずっと


We'll be fine I'm told
Together we'll grow old
So kiss me till the last train leaving 
Then stand yourself by me
We'll fall until we're free
This helium prefers no ceiling

ぼくたちは大丈夫だって 言われたんだ
一緒に大きくなれるはずさ
だから最後の列車が行ってしまうまで ぼくにキスをして
そして ぼくの横で しっかり立って
自由になるまで大変だけど
自由になれたら何でもできるさ


When the drunks start singing this way 
Baby's got her best dress stained
I hope you got a minute
Hope you want me in it
For the long haul 
All night long

酔っ払いたちがこんなふうに歌いはじめると
女の子はいちばん良い服を汚してしまう
君が待っていてくれたらいいんだけど
ぼくのことを待っていてくれたら
そこにぼくが戻るまで
夜のあいだずっと


It must get better than this
Cause as far as I can see
The world belongs to me
There's a place at your table with my name on

今よりは良くなるよ
ぼくの知る限りでは
世界はぼくのものなんだ
君のテーブルは用意されてるよ ぼくの分と一緒にね


When we walk 
They roll the carpet out at our feet
And when we talk 
They gather around and cheer in the street
Cause we're the kings of imagining things

ぼくたちが歩き出せば
足元にカーペットが敷かれるんだ
ぼくたちが語り合えば
みんなが集まって 通りでぼくたちを祝福してくれる
想像の世界ではぼくたちは王様だから


When the drunks start singing this way 
Baby's got her best dress stained
I hope you got a minute
Hope you want me in it
For the long haul 
All night long

酔っ払いたちがこんなふうに歌いはじめると
女の子はいちばん良い服を汚してしまう
君が待っていてくれたらいいんだけど
ぼくのことを待っていてくれたら
そこにぼくが戻るまで
夜のあいだずっと


When the drunks start singing this way 
Baby's got her best dress stained
Hope you got a minute
Hope you want me in it
For the long haul 
All night long

酔っ払いたちがこんなふうに歌いはじめると
女の子はいちばん良い服を汚してしまう
君が待っていてくれたらいいんだけど
ぼくのことを待っていてくれたら
そこにぼくが戻るまで
夜のあいだずっと


We'll be fine I'm sure
Just use the other door
I wanna have a house like they did

ぼくたちは大丈夫さ 本当だよ
別のドアを使えばいいんだ
前に住んでたような家が欲しいね

 

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君とぼくの関係ですが、歌詞のニュアンスからすると、兄弟ではないかと私は思っています。あまり良い家庭ではなく、子供らしく育ってくることはできなかったことがわかります。二人で支え合ってきたのだろうと推測できます。いろんな解釈ができるとは思いますが、初めのほうに出てくる they は両親か養育者ではないでしょうか。彼らと同じように家を持って、君とまた一緒に暮らしたいけれど、use the other door という言い方で、彼らとは違う生き方をしようと話しています。

そして、今、ぼくは旅立たなくてはならず、君と離ればなれにならなくてはならない状況です。ぼくが戻るまでのあいだ、希望を失わず、しっかり自分を持って、君に待っていてほしい、という歌に聞こえます。

『ELEMENTARY』では、ワトソンが来ない人を待ちながら、でもあと少しで心が落ち込んでしまいそうだという時に、ホームズがやってきて隣りに座って一緒に待ってくれる、というシーンで流れる音楽です。

落ち込んでしまいそうな、心の曲がり角に立っている人を、そっと励ますようなこの歌が、とても心に染みるエンディング・シーンです。